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振り返ってみると、ずいぶん大きなことをしゃべったなと思うのですが、ぺトリーニ会長は多くを語ることなく、うんうんとうなずきながら話に耳を傾けながら、ときたま質問を加えたり、イタリアではこうだよ、と言ってくれました。

たとえば、イタリアでは就農人口は4%だということ。国から民間へという大きな流れもおおむねイタリアでも当てはまること。少子高齢化の流れも然り。
税率については、イタリアでは所得税は25%(日本はざっくり平均すると15~20%くらい?)、消費税率は20%であること(日本は5%)。
だから日本だけが大変なわけではない、ということです。
さらに会長は、北極圏にあるコンビビウムにもこの前行ってきたこと、その暮らしの質素ぶりに比べれば日本はまだまだゆとりがあるよ……というわけです。
まさにそのとおりで、日本人はとかく自分のことばかりを特別化して語りたがる癖がある。自分もそれに陥ったかな…とふと思いましたが。
さらに考えると、スローフード運動は世界的運動であり、世界の中で日本はどういう位置にあるのか、という客観的視点を絶えず持ちながら物事を考え、語り、行動することは、忘れてはならないことだと思われます。

ペトリーニ会長を囲んで料理屋で記念撮影。
「日本人はカメラがないと生きていけないのではないだろうか?」と半ば冗談でおっしゃるので、「ロラン・バルトというフランスの思想家は日本のことをかつて『記号の帝国』と呼びました。日本人はあらゆることを記号化するのが好きであり、また得意であり、それがコミュニケーションの重要なファクターでもあるのです」とまじめに返答すると、「なるほど、名刺をみんなすぐ出したがるのもその一つだね」とにっこり。
ほんとうにいい時間を過ごさせていただきました。
窓の外には2、3日前に降ったというドカ雪の積もった雪が陽の光にキラキラ輝いておりました。
お土産屋さんを興味深く物色する会長の姿を横からまたしてもパチリ。
ほんとうにカメラがないと生きていけないかも……。
前回の湯布院会議で会員年会費の支部とジャパン事務局、協会本部との配分等についてもめた経緯もあり、会長の今回の帯広への出陣にはある種の決意があったはず、と後に若生スローフードジャパン会長より知らされました。
それが思わぬ展開を見せることになるわけですが……
さて、ぺトリーニ会長ご一行と別れ、佐々木①②は、宿泊先の東急イン帯広へ。
少しくつろいでから、六花亭本店へ繰り出しました。
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