第二部 １５：００〜

「骨太チャーハン　キッズ・イン・ザ・キッチン　子どもの料理教室（東京ガス）」

　キッズ・イン・ザ・キッチンは1992年から続く東京ガスの食育プログラム。今回のテーマは「チャーハン」づくり。
このプログラムの最大の特徴は、子どものみの参加であるということ。つまり、お父さん、お母さんの助けを子どもたちは一切借りることができないのだ。
まずは身だしなみを整えることから。子どもたちはそろいのエプロンと三角巾を身につけ、レクチャーを聞く。包丁の使い方、ガスの使い方など、基本的なところから講習はスタート。
その後、実際にチャーハン作り。野菜を切るのも、チャーハンをフライパンでいためるのも、子どもたちが自ら体験。
会場の外側には、心配そうに見守るお父さん、お母さんで、黒山の人だかりができていた。
ご両親の心配もよそに、子どもたちは着々とチャーハンを完成させていき、最後は試食タイム。明日はきっと、ご参加のたくさんのご家庭で、子どもたちが家族の皆さんのチャーハンをつくってあげるのではないだろうか。

「お茶の手もみ体験」

　ここでは、日本茶インストラクターの皆さんによる、お茶の手もみ講習が行われた。
まずは、お茶に関するレクチャー。その後、ホットプレートを用いた手もみを体験した。
参加者は大人ばかりかと思いきや、子どもたちも何人か参加。聞いてみると、本人の希望で参加したとのこと。
「おじいちゃん、おばあちゃんと住んでいるから、お茶が好きなんです。よく祖父母に煎れてあげているんですよ。」とはお母さんの談。
ホットプレートで熱されて、だんだんと香ばしいお茶の香りが広がってくる。この茶葉を手でもむのだ。

手もみができたら、その場で試飲。
「しぶい。でも、おいしい。」と参加した子どもたち。

そして、しばしお茶を飲みながら、各テーブルで日本茶インストラクターの皆さんと参加者の皆さんがお茶談義。例えば、子どものいるテーブルでは、「何で茶色っていう色が茶色っていうのか、知っていますか？飲むお茶は緑色なのに、茶色っていったら茶色ですよね。

昔はお番茶が主流でしたから、お茶っていったら、本用に茶色をしていたんですよ。」という具合に。
参加者の皆さんはやはりお茶好きの方が多いご様子で、質問も多数。茶飲み話は尽きなかったようだ。

「和菓子の美しさを知る」

　このプログラムでは、横浜日の出町の「大黒屋」のご主人が、実際にお店で出している和菓子の作り方をレクチャー。
季節（12ヶ月）の和菓子のお話をお聞きした後、そのうちの4種類のねりきりの作り方を教えていただいた。
この日、参加者の皆さんが手作り体験をしたのは、２月のお菓子「ねじ梅」、5月の「菖蒲」、9月の「山路の菊」、11月の「木の葉」。基本の数色の生地をもとに、これを混ぜたりぼかしたりすることで様々な表情が生まれる。
実演を見ながら、華麗な手さばきに参加者は一様に感嘆しきり。例えば、「ねじ梅」は桃色の生地をひねりながらひろげ、まんなかに丸めた黄色の生地をのせ、ねじりながら梅の花のかたちにまとめる。「菖蒲」は茶巾絞りの要領で、「山路の菊」では、道具を使って菊の文様を描く工程も。
「木の葉」では葉脈をかたどった専用の型を用いる。レクチャーの後は、実際に参加者が和菓子作り。
菊の文様付けには皆さん、悪戦苦闘されたようで、「やっぱり職人技よね〜」とのこと。でも、当初の「本当にできるの？」という皆さんの心配をよそに、ちゃんと和菓子が仕上がった様子。
「はじめてにしてはいいじゃん！」という声も聞かれたほどだった。最後は、お茶とともに和菓子をひとつ試食。残りの３つを箱に入れて、皆さんお持ち帰り。
「これからは和菓子よね！」という感想とともに、皆さん大満足の和菓子体験だった。

(文・写真/中村麻理：スローフードすぎなみTOKYO）