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『沖縄の神と食の文化』によれば、沖縄で肉といえば、豚肉を指すと言われるほどであり、「泣き声以外は余すことなく食べ尽くす」という言葉さえあるという。豚一頭を頭から足の先、内臓、血まで料理するらしい（赤嶺，2003：140）。

後で訪れた沖縄料理店(スローフードすぎなみTOKYO+スローフード長崎+スローフード岩手の二次会＝『うりずん』）では、「血イリチー」という、豚肉と内臓をにんにくやニラと炒め、豚の血で絡めた料理や、豚の内臓を下ごしらえして煮込んだ「中身汁」といったメニューがあった。これもまた、残念ながら今回は味わうことはなかったが、次に沖縄を訪れる機会があれば、ぜひ試してみたいと思っている。
ここでは、麩チャンプルーの美味しさに感動。
スクガラス豆腐は見た目も愛嬌があって、思わず写真を撮ってしまったほどだ。

　

懇親会の料理に話をもどそう。
「沖縄おでん」に如何なる独自性があるのか興味を持ったので、会場にいたシェフに話を聞いてみた。
シェフによれば、「沖縄ではあまり家ではおでんはつくらないんです。でも、入っている材料が沖縄では独特ですね」と答えてくれた。どうも豚足、つまり、「てぃびち」が入っているのが沖縄おでんの最大の特徴らしい。

一口に「おでん」といっても、地域差があり、食のおもしろさをまたまた実感した次第である。日本中どこで食事をしても同じ、ではつまらない。旅の楽しみは、土地の食べ物を出会うことに尽きると思うから。

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