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そうこうするうちに、会場に到着した。午後3時からの会議の参加者は、各コンビビウムのリーダーにオブザーバーを加えて100名近くとのこと。今回はイタリアからパオロ･ディ･クローチェ氏をお迎えし、通訳はスローフードインターナショナル日本人スタッフの石田氏が務められた。

　はじめに若生会長から「去年のスローフードリーダー会議は帯広、そして、今年は沖縄で、まさに多様性を感じる。スローフードジャパンも今年で三年目。年々、支部数、会員数も増え、日本のスローフードは世界で第四位に成長した。これもひとえにみなさんに支えていただいたおかげ。去年ある調査で、30～40代の主婦の85.1%がスローフードを知っているという結果が出て、まずは、喜ばしいが、定義を知っているのは38.7%にとどまった。しかし、運動が広がっているのはまぎれもない。これからも発展していけるように、リーダー会議でまた新たなスタートを」という趣旨のご挨拶があった。

続いて、テ･ラ・マードレの紹介映像が上映され、クローチェ氏が「スローフード協会が将来的にやっていくのは、作る人のネットワークと食べる人のネットワークをつなぐこと。今私たちが立ち会っているのは、これまでで両者が最も離れた世界。……私たちは哲学にもとづいて生産する人と消費する人のかけはしに。それも具体的な方策をもって。2つのテーマがある。ひとつは食育。もうひとつは生物多様性……」等々の内容を話された。

　次に、ホスト支部による歓迎挨拶のなかで、沖縄･奄美スローフード協会の田崎会長が「沖縄はファストフード先進国。アメリカナイゼーションによって、肥満率が日本一に。長寿県で知られてきたが、とくに男性は順位を下げている。……自給率は7.7%で日本一低い」と沖縄の現状を話され、沖縄におけるスローフード運動の必要性を述べられた。

　

　

そして、いよいよ議事に入った。ここで、議長に選出されたのは、スローフードすぎなみTOKYOの佐々木リーダー。二つ目の議題である「2006年運動方針と事業計画（案）について」では、若生会長から運動方針の骨子の説明があり、具体的には次の大きな5項目の推進を図ることが提案された。

１．生物多様性の保護
　①味の箱舟プロジェクトの推進
　②将来的な日本版プレシディオの検討
２．味覚教育の推進
　①味覚教育プログラムの開発
　②食育（仮称）インストラクターの養成研修の実施
３．生産者と消費者を結ぶ
　①スローフードフェアの開催
　②公式Webサイトによる継続的な生産者情報の発信
　③日本版オステリアガイドの出版
４．国際運動
　①東アジアコンファレンスの開催
　②テ･ラ・マードレ（世界生産者会議）への参加
　③スローフード基金への推進
　④サローネ･デル･グストでのワークショップの開催
５．組織と財務力の強化
　①委員会の充実
　②コンビビウム連携強化
　③財務力の強化

以上をめぐって、活発な議論が交わされた。特に食育に関しては、「名称はこれでいいのか」であるとか「どういう姿勢で取り組むか」で、多くの意見が出された。三つ目の議題では、ある支部から雑誌『Slow』に対する一般会員の反応が伝えられ、スローフードインターナショナルに意見を投げ返す回路の必要を確認するに至った。

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